モノクロフィルム「ILFORD DELTA 3200」で深夜の街を撮る

深夜にいてもたってもいられなくなって写真を撮りにいきたくなる、そんなことが稀にあります。でも夜中は明かりが少ないし、かといって三脚を立てて撮るような写真が撮りたいわけではない。あくまでスナップ写真を撮りたい。僕はたまにそんな衝動に駆られます。今まではデジタルカメラでiso感度を上げて撮っていましたが、フィルムでも撮りたいと思い始めました。
それで調べてみると高感度のフィルムは選択肢がほとんどない。モノクロフィルムの「Kodak T-max P3200」と今回紹介する「Ilford delta 3200」の2種類。
Kodakは試しに使うには少し値が張るのでIlfordで試すことにしました。
まずは作例からどうぞ。
「ILFORD DELTA 3200」作例

深夜0時過ぎから大阪駅を中心にスナップしました。
いつものごとく雨ですが、モノクロと深夜の雨は最高にマッチします。僕の好きなシチュエーション。
終電後、人の気配がなくなっていく梅田の街は普段見る都会の大阪という雰囲気とはグッと印象が変わります。
使用機材:contaxT2
iso感度:3200





梅田の東。御堂筋より東に歩き、曽根崎・堂山といった繁華街へ。
静まり返った街にわずかに灯る明かりは白黒写真にすることでより際立ちます。
雨で濡れた路面に反射する光も、少し滲み出した街灯も雨ならでは。




駅周辺では終電を逃した人を乗せるタクシーが動き出し、建物の明かりは徐々に消え始める。見慣れた街も深夜になると雰囲気が変わります。
大阪駅の近くでは工事が活発になり、工事現場を照らすライトが眩しく光ります。これも深夜ならではのシーン。
真夜中には真夜中にしか見れない物語がありますね。
今回のフィルムとカメラ
今回使用したのはilfordのdelta 3200。ilfordからは他にもモノクロフィルムが多く販売されていますが、その中でもProfessionalの名が入ったdeltaシリーズ。100,400,3200という3種類のフィルムの中で最も高感度のdelta 3200を使用しました。現行で販売されているものの中でも一番の高感度フィルムです。
深夜の街という明かりの少ない中でもディテールを残して雰囲気のある写真を作り出してくれます。多少、粒子が荒いところもありますが深夜の街という状況ではむしろ荒々しいくらいがちょうどいいのかなと思いました。
パッケージにはiso12500まで増感可能とあったので増感してさらに荒々しい写真にしても面白いかもしれません。
ちなみにdeltaシリーズは3種類どの感度も35mmフィルムだけでなく120フィルムもあります。中判カメラで撮るとまた雰囲気も少し変わってくるのかもしれません。今度試してみようと思います。
カメラは片手でも撮れる、雨の日に最適なCONTAX T2を使いました。
街でスナップするときは大体これを持ち出します。
他のモノクロ写真の作例は以下の記事からご覧になれます。
こちらもCONTAX T2を使用しているので見比べてみてください。
▷フィルムカメラで映画のような写真を撮ろうvol.2 【lomography Berlin 400作例】
▷モノクロフィルム「Rollei Retro 400S」で街を撮る
▷モノクロフィルム「ILFORD HP5 PLUS」で街を撮る