フィルムカメラでSF映画のような写真を撮ろうvol.1【Cinestill 800T 作例】

写真で映画のようなワンシーンが撮れたらいいのに。写真を始めた頃、僕は写真を撮りながらそんなふうに思っていました。そんな時に出会ったフィルムが「Cinestill 800T」。
今回はそんなシネマティックな写真を撮ることができるカラーネガフィルム「Cinestill 800T」を紹介していきます。


はじめてこのフィルムを使用して撮影したのは2019年頃なので、もう何年も前になりますが今も定期的に使用しています。

▷カラーネガフィルム「Cinestill 800T」の魅力

写真を撮りに行きたくなるような、撮りに行かせてくれるようなそんなフィルムです。それではさっそく紹介していきます。

「Cinestill 800T」ってどんなフィルム?

「映画のようなワンシーン?」 「そんな写真が簡単に撮れるの?」 
そう疑問に思われる方もいるかもしれません。
ですがこのフィルムはもともとは映画用に作られたKodak Vision3というフィルム。それを写真でも使えるように改良したものがこのCinestill 800Tというフィルムです。
35mmと120(中判カメラ用)フィルムがあります。

感度は800で、3200まで増感もできるので夜や屋内の撮影にぴったり。実際に僕も1600まで増感し夜に撮影したことがあります。(感度を1600に増感した写真はまた後日まとめます)

タングステンフィルム(白熱電球等の3200kに合わせて作られたフィルム)なので青みが強くでます。日中の太陽光下で撮影する場合はフィルターを装着することで青みを補正できますよ。

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ちなみにcinestillには他に昼用のフィルムCinestill 50DとモノクロフィルムのCinestill BWxxがあります。

▷フィルムカメラで映画のような写真を撮ろうvol.1【Cinestill 50D 作例】

モノクロフィルムのCinestill BWxxはまた後日レビューします。

「Cinestill 800T」写りの特徴

このフィルムはタングステンフィルムゆえに写真全体が青く写ります。写真屋さんでデータ化やプリントしてもらう場合は色の補正なしで頼みましょう。するとCinestill 800T特有の青みを楽しむことができます。「補正なし」や「フィルム特徴仕上げ」などで頼むといいと思います。
青みが強いこと以外にもう一つ大きな特徴があります。それは写真を見ると一目瞭然ですが光が滲むということです。その上静電気の影響で赤くなるのでより特徴的になります。赤くなるのを防ぎたい方はなるべく静電気が起きないように気をつけましょう。

「Cinestill 800T」作例

せっかくの映画用フィルムなので、SF映画のワンシーンのような写真を目指して雨の日に撮影してみました。この中の数枚は雨の中でも台風が来ている時に撮影したのでより雰囲気が増しているんじゃないかなと思います。

今回は大阪の北新地から北浜周辺と道頓堀から難波周辺を撮影しました。

使用機材:CONTAX T2

すべてフィルターなし、感度800で撮影しています。

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北新地ー

大勢の人が行き交う通り。大阪のキタエリアにある繁華街、北新地には料亭やクラブ、飲み屋といった多くの店が密集しています。それらの店の看板が煌々と夜を照らす風景はとても絵になりますね。

繁華街ゆえにタクシーも頻繁に通りを走ります。
左右に並ぶ店の明かりに挟まれるようにして灯るテールランプの赤がアクセントになってよりこの場所の雰囲気を引き立てているような気がします。

タクシーの写真はよく撮りますが場所によって雰囲気が変わるので面白いですね。

ー北浜周辺ー

中之島の中央公会堂付近。北新地から10分から20分ほど歩いたところですが雰囲気は一変します。
賑やかな場所から落ち着いた静かな場所へ。

冬はこの辺りはイルミネーションで賑わいますがそれ以外の時期は、比較的落ち着いています。
暗闇の中に灯るようにして光る街灯は何とも美しくて繁華街で撮るのとはまた違った映画のような写真になりました。
本当にこのフィルムはいろんな場面や状況で映画のワンシーンのような画作りをしてくれます。

ー道頓堀から難波ー

大阪ミナミエリアの繁華街、道頓堀。
大阪らしさのある派手な看板を持つ飲食店が広範囲に渡って軒を連ねます。同じ繁華街でも北新地とはまた違った鮮やかな写真が撮れます。

少し東に進むと古くから残るキャバレーのネオンサインが。
フィルムで撮ることで、今回のSF映画のような写りとはまた異なりますが平成初期や昭和を思い出させるような光景にもなります。表現の幅を広げてくれるのもフィルムのいいところの一つでしょう。
映画のような写真を撮るにはフィルムや機材、撮り方も大事かもしれませんが場所や被写体もまた同じくらい意識して選ぶとより自分の求める写真が撮れるようになると思います。

Cinestill 800Tを使ってみて

他のフィルムと違ってかなり個性のあるフィルムでしたが、映画のようなそれもSF映画のような写真が撮れました。


強く青みが出るところ、街灯や信号、ヘッドライトやテールランプといった光が赤く滲むところ(赤くなるのは静電気の影響なので気を付けて扱えば軽減することは可能です)。それから800という高感度ゆえのざらざらとした質感。これらを短所と取るか長所と取るかは人それぞれだと思いますが、これほど特徴的なフィルムは他にないと思うのでぜひ一度試して欲しいです。

特に雨の夜をオススメします。雨の日は路面に光が反射して光の量が多くなります。その反射を利用することでより美しくインパクトのある写真が撮れます。それから雨の日の一番のメリットはこの記事の最初の写真のように雨粒を写せることです。僕の個人的な好みかもしれませんが、雨粒があるだけでぐっと写真が良くなるような気がしています。

なので皆さんも一度挑戦してみてください。くれぐれも雨でカメラを壊さないように万全の対策をしていってくださいね。

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